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-鈴の音を聞かせて-

-鈴の音を聞かせて-

クリスマスの季節、カロルは町のイルミネーションを寂しそうに眺めていた。
サンタクロースからの物語。ほのぼのシリアスギャグ混合。

ユーリ/エステル/カロル/リタ/レイヴン/ジュディス

後にサイトの方にも別の話と共にUPします。
とりあえずクリスマス当日なのでここに。
物語の核心に関わるネタバレはありません。

* * *



-鈴の音を聞かせて-



この季節が近づくと、街のあちこちが鮮やかな光で照らされる。
澄んだ冬の空気に色とりどりのイルミネーションが輝き、行き交う人々の幸せそうな顔を一層眩しく見せた。
「もうそんな時期か」 とユーリの吐く息が白く染まる。
エステルは両手を合わせ、うっとりとその光景を眺めていた。

「この町……ダングレストにも、サンタさんはやってくるのでしょうね」
「サンタ、ねぇ」

リタはたいして興味なさそうに手を振り、

「サンタなんて」
「うん、きっと来るよ!」

言いかけた言葉をつぐむ。振り向いたカロルの笑顔と目が合った。
少年以外のメンバーがその返答に思考を凝らす。
もしかして――と考えている矢先、「なあに、ガキんちょ」 リタは所構わず横入れした。

「もしかしてあんた、サンタのこと」 「そうよねー!」

レイヴンが彼女の口を塞いで抑え込む。
そんな行動をとったらどんな仕返しがくるかを承知の上、レイヴンはリタをその場から引き離した。
しかしその行動はあまりに大げさで、先の彼女の声もカロルの耳にはっきりと届いていた。
仲間たちの言動を察し、カロルは恥ずかしそうに苦笑する。

「あ、ごめん……。その、サンタさんが本当はいないってことは、知ってるよ」
「……そうなのか」

ユーリがややため息交じりに言った。
「うん」 とカロルは力なく頷き、

「それに、ボクには物心ついたときから、サンタさんはいなかったから」

明るく照らされたダングレストを遠目に眺めた。
本人はいつも通りの声で言ったつもりだったのだろうが。
一瞬目を伏せたとき、カロルの瞳に切なそうな光が灯るのを、ユーリは見逃さなかった。
カロルは努めて明るい口調で切り出す。

「それじゃ、宿屋行こっか」

空笑いを残し、カロルは一足先に宿へ向かって行った。
ユーリはフォローの言葉をかけようとしたが、咄嗟にかける言葉が思いつかない。
ジュディスがそれを見かねたように開口した。

「カロルにとってのサンタさんは、幼いころに亡くなっちゃったものね」
「カロル……」

エステルは心配そうに宿屋の先を見つめる。
レイヴンに抑えられていたリタも戻ってくる。視線を下に落とし、首を掻いて会話を紛らわす。
ユーリは冬の空を仰ぎ、ダングレストに流れるクリスマスソングに耳を傾けた。

 待ちきれないで
 おやすみした子に
 きっとすばらしい
 プレゼントもって

 さあ あなたから
 メリークリスマス
 私から
 メリークリスマス





「――青年」
「エステル?」

レイヴンとリタが、ユーリとエステルの名を呼ぶ。
ふたりが同時に振りかえると、そこにはラッピング途中のプレゼント箱があった。
ユーリの手よりも大きい箱が赤と緑の包装紙に包まれている。
その様子を上から眺めていたジュディスが 「まあ」 と歓声をあげた。

「可愛らしいわね、プレゼントだなんて」
「だって」

エステルはむきになって立ち上がった。

「カロルのところには、一度もサンタさんが来たことないんですよ? そんなの、可哀想です……」

カロルだって、まだ小さいのに。
彼女は、まるで自分のことのように悲しんだ。
リタは露骨に顔をそらし、「……ふん」 目だけをふたりの手元に移す。
ユーリは箱に赤いリボンを結ぶと、「よしっ」 プレゼント箱の横をてのひらで軽くたたいた。

「完成、だな」
「わあ! ユーリ、手伝ってくれてありがとうございます」
「なあに。気にすんなって」

ユーリはラッピングの終えた箱をエステルに手渡す。
ジュディスがエステルの隣に立った。

「ちなみに、プレゼントは何にしたの?」

その問いに、エステルは心持ち気恥ずかしそうに答えた。

「ただの、お菓子の詰め合わせです。唐突で……あまり良いものが選べなかったんですが……」
「そんなことないわ」

心配そうな顔を見せる彼女を、ジュディスは笑顔で励ます。

「カロルもきっと喜んでくれるはずよ」
「本当ですか……!」

つられてエステルもぱっと笑顔になる。
プレゼントというものは、貰うだけで幸せになれるものなのよ。
ジュディスは、口には出さず、胸の内で呟いた。
その温かい部屋の中で、リタは何やら考え事をしているように顔をしかめている。
その温かい部屋の中で、レイヴンはすでに寝入ってしまった少年の部屋のドアを眺めている。
ユーリは誰に目を向けることもなく、ぼうっと部屋の周辺に視線を流していた。





 さあ あなたから
 メリークリスマス
 私から
 メリークリスマス

「めりー、くりす、ます?」

カロルは耳に入ってくる音楽の歌詞を繰り返す。
あなたから。私から。メリークリスマス。
そんな言葉、誰かに言ったことも、言われたこともなかった。
そのことに気付くと、カロルは自然と首を落とした。

 ねぇ 聞こえて
 来るでしょ
 鈴の音が
 すぐそこに

「聞こえて、来ないよ……」

少年は耳に手を当て、なんとか音を拾おうとする。
しかし、音も、歌も、声も、何も聞こえてこない。鈴の音は、どこ?
足だけを動かし、その場をぐるりと一周した、そのとき。

 待ちきれないで
 おやすみした子に
 きっとすばらしい
 プレゼントもって

聞こえてきた歌詞は、きちんと聞き取れる。
その意味を頭の中に入れ、カロルはぽかんと口を開いた。
自分でも思いもしていなかったことを口走った。

「サンタさん、なの……?」

お休みしたら、ちゃんと寝ていたら、いい子にしていたら――プレゼント、貰えるのかな。
鈴の音が聞こえないのは、ボクが起きていたからなのかな。寝ていなかったから。
そう思った途端、ボクはぎゅっと堅く目を閉じた。





「いい子にしてたら、プレゼント……もらえる、のか、な……」

急に喋ったため、起こしてしまったかと勘違いしたが、少年の寝言は日常茶飯事であったことを思い出す。
彼の無邪気な寝言に意識せずとも笑みが零れた。
少年の枕元に、ことん、と小さな音を立てて箱が置かれる。
しかし、少女の置いた箱の横には、エステルが持っていた箱とはまた違う、別の箱があった。
少女が静かに立ち去ろうとしたとき、寝室のドアが開いた。
長身の男と目が合い、少女は突然我に返ったように顔を赤くさせる。
少女が立ち去ると、男は 「リタっちも優しいねぇ」 と小声で呟き、自分の持ってきた箱をその小さい箱の隣に置いた。
男が部屋から出るとき、今度は女性とすれ違う。
彼女は耳元で 「私の出る幕もないみたいね」 と自嘲っぽく笑ってみせた。

 ねぇ 聞こえて
 来るでしょ
 鈴の音が
 すぐそこに

 待ちきれないで
 おやすみした子に
 きっとすばらしい
 プレゼントもって

 さあ あなたから
 メリークリスマス
 私から
 メリークリスマス

今なら鈴の音もちゃんと聞こえる。
温かいプレゼントに囲まれながら、カロルは夢の中で嬉しそうにほほ笑んだ。
メリークリスマス。





「わあ、お菓子がいっぱい……! それにこの細工工具も! 凄いなぁ……っ!」
「ユーリ、凄いです。細工工具なんて、手先の器用なカロルが喜びそうなもの」
「まあ、元々クリスマス用に用意してたやつだったからな」
「ユーリ……、最初からカロルのためを思って……」
「こっちは何かなー……って、えええぇぇ!?」
「ん? どしたのーガキんちょ」
「リタ、リタ! え、えと……これ……」
「わー可愛いー。なにこの可愛い猫耳ー」
「いやっ、可愛いって……絶対これおかしいよっ。こういうのは女の子が付けるものじゃ――」
「カロル! あの女の子の服にこの耳付けたら可愛くなりそうですよ!」
「可愛くなってどうするんだよ!!」
「ねね、少年。プレゼントもうひと箱あったでしょ? それも開けてみなさいよー」
「あ、そうだね。あとひとつは何かな……。…………」
「なになに?」
「……、レイヴン……」
「はい?」
「なんだよこれー!」
「ごはぁー! ってなんで! なんで俺様が殴られるの!」
「レイヴンでしょこのプレゼント!」
「なんで分かったのー? !」
「やっぱりっ!!」
「ちょっと! 鎌を掛けるなんて卑怯よ!」
「うるさいー!」
「何なのよ、おっさんのプレゼントって」
「ナンの写真……みたい、だな」
「カロルの喜びそうなものじゃないですか」
「レイヴンが隠し撮りしてることが許せないんだよ!」
「なっ、お、俺様は少年のためを思って、重宝していたベストショット写真をわざわざ」
「うーわーっ!! ――ハッ。わかった、この猫耳もリタでしょ? !」
「せいかーい」
「もうっ! なんなんだよ、プレゼントでこんな風に遊んで……っ、遊んで……。……っ、……!」
「…………カロル?」
「――りがとう」
「…………」
「ありがとう。ありがとう」
「…………ああ」
「あ゛り゛がと゛う゛っ、み゛んな゛……っ!!」
「…………。どういたしまして」



Fin.



涙を流してお礼を言い続ける少年に、仲間たちは笑顔で答えてあげた。
メリー、クリスマス。カロル。

テーマ:テイルズオブヴェスペリア - ジャンル:ゲーム


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